ワインは、同じものでも形状が異なれば香りや味わいが変わるといわれています。 これは、ワインが注がれると同時にグラスの中に香りが充満していくため、グラスの形の違いによって香り方が違うからです。 またワインが口に入る時の注がれ方によっても味の印象が違います。
このようにワインとワイングラスは、切っても切れない縁があるのです。
日本酒も一般的に香り高いお酒ですから、ワインと同様にいただく器で味や香りが違うといわれています。
同じお酒でもグラスのお猪口や陶器のお猪口、コップ、それぞれで香りや味が違います。
では、備前焼ではどうでしょう?
粗い土の感じが残っているお猪口や口の広いお猪口、薄いお猪口など、いろんなお猪口で飲み比べをしてみました。
今回使ったのは、このお猪口。
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胡麻+火襷
瀬戸内市の粘土を使用しています。 -
桟切
タテ長形冷酒用に -
青備前盃
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桟切
磨き土使用 -
桟切
ろくろを使わず手捻りで作ったもの -
青備前
酒参 -
火襷
粗めの粘土使用
面取り
お酒を飲むにはアテが必要ですよね。
そこで、薬膳と和食のスペシャリスト、黒川眞紀子さんと、山本紗永さんに日本酒に合うアテを作っていただきました。
日本酒をセレクトしてくださったのは、大阪市北区「酒蔵なかやま」のご主人。
さて準備は万端です。
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真剣に効き酒して・・・
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時にはお料理を楽しんで・・・
結果はこちら。
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なかやまさん評
⑦はお酒のもっている味が表現されていて、時間がたっても変わらない。
⑤は口の厚さも飲みやすく、お酒がスっと入る。 -
なかやまさん評
①③はなめらかだけどぬかっぽさも感じたので好みが分かれるところ。
一方で、④⑤⑦はぬかっぽさを感じない。②⑥は辛口らしい荒々しさが出ていた。 -
なかやまさん評
全体的にどれも良い。
今まで荒さが目立っていた②や⑥でまろやかさが出ていた。 -
なかやまさん評
③が一番香りの広がりと厚みが出ていた。逆に他の器では、香りが薄れてしまった。
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なかやまさん評
このお酒の特徴である酸味が一番出ていたのが④。
②と⑥が甲乙つけがたかったが⑥の重厚感で⑥を2位に。 -
なかやまさん評
⑥が古酒の甘みと広がりが一番出ていた。次に出ていたのは①。
③も広がりは出ていたが、⑥と①程ではない。③は熱燗にしたときに合うかも。 -
なかやまさん評
12年熟成のなめらかさを一番出しているのは③。次は②が出ていた。
このお酒にはこのお猪口じゃなければならないということはありません。
利き酒したメンバーもそれぞれの好みがあり、結果が分かれるものもたくさんありました。
ですが、飲むお猪口で味や香りが変わるというのは確かです。
備前焼お猪口と日本酒の関係。おもしろいですね。
好きな日本酒にあう備前焼、探してみてはいかがでしょうか。
今回飲み比べにご提供いただいた薬膳料理は、こちらの「楽食Story」で詳しくご覧いただけます。